子育てはさまざまな苦労がありますが、大きな喜びでもあるのが事実です。
また、子育てに親としての責任感を感じている方もいらっしゃることでしょう。
ちょっとその「責任感」について考えてみたいと思います。
親としての責任感を追求されないために、いろいろと心を砕いている方がいらっしゃるかもしれません。
つまり「良い親」になろうとしている方です。
でも、その「良い親」になろうとしていることが、お子さまの成長につれて却って親にも子にも負担になってしまうケースが時々あります。
親は子育てに疲れ、子どもは親の干渉に疲れ、反発してしまうケースです。
子育ての重要な目的の一つは、お子さまを自立して生きていける大人に育てることです。
この「自立する」という過程は、思ったより小さな時から、ちょっとした経験を積み重ねて培っていくものだと思います。
私は保護者の方とお話をするときに、よく「親の言うことを素直に聞いてばかりいるお子さまは心配ですよ」とお話しすることがあります。
お子さまは成長につれて、親から距離を置き、外の世界に出て行こうとします。
ちょうど巣立ち前の子鳥が、羽を羽ばたかせる準備をしているのに似ています。
それを危ないから、騒がしいからと止めていては、巣立ちの準備は進みません。
大切なお子さまを心配する心は親としての自然な愛情から出てくるものですから、止めることも否定することもできません。
でも、より広い視点でお子さまの成長を見守ることも大切ではないでしょうか?
親としての「責任」は、「指摘されないように注意する」と言う自分に向けたものではなく、「いざとなったら手を差し伸べるために見守る」という、お子さまに向けたものであって欲しいと思います。